こすると消えるペン 「フリクション」の歴史 | 文房具大図鑑
こすると消えるペン 「フリクション」の歴史
こすると消えるペン 「フリクション」とは
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今までは、鉛筆で書いた文字は消しゴムで消せますが、ボールペンなどのペンで書いた文字は消せないというのが通念でした。
しかし、近年消せるペンが爆発的に売れています。
「フリクション」というペンです。
文字を書くのは、普通のボールペンのように書けます。
むしろ、普通のボールペンよりも滑らかにかけて、かつ顔料なので、水性のインクのようににじんだり消えたりしないのです。
書いた後、ペン先の反対側についているラバーで文字をこすると、書いた文字がきれいに消えるのです。
鉛筆のように、書いているうちに紙が汚れることもなく、消しゴムのカスが出ることもなく、きれいに書いてきれいに消せるのです。
2006年にヨーロッパで、2007年に日本で発売され、世界で累計10億本が売れました。
「フリクション」 開発の歴史
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このフリクションの開発には、30年かかっています。
秋の紅葉からヒントを得て、温度に対応して色が変化する特殊なインクの研究が始まりました。
現在のフリクションのインク(フリクションインキ)は、ラバーでこする時の摩擦熱(65℃以上)で色が無色になり、-20℃以下にならないと元に戻らない性質があります。
つまり、日常生活の温度内では、一度消した文字は、ほぼ消えたままになるのです。
しかし、最初のインクは、温度の変化の幅が狭く、文房具として使えないので、新たな化学物質の開発から進め、30年かかったということです。
その過程で、飲料の「飲み頃」の表示が温度に応じて現れる商品などが開発されました。
インクの粒子は小さくないと滑らかに書けないので、温度変化に反応するために必要な三つの成分をマイクロカプセル化する研究も行われました。
「フリクション」のさらなる進化
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現在は、黒色のペンだけでなく、色とりどりのカラーのペンやマジック、蛍光ペンなど、あらゆる種類のペンが「消えるペン」として販売されています。
また、詰め替え用のインクも販売されています。
外国からの観光客や、日本に滞在している外国人にも好評で、家族や友人に頼まれて、日本の文房具店でフリクションのペンを何十本、何百本と買い占める人もいるそうです。
あまりに普及したので、重要な書類を後で消したり改ざんしたりすることにフリクションインキを使用する問題が浮上しています。
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